前のタクシーを追ってくれ!

映画と模様替えと語るブログ

《ハングリー・ハーツ》

顔見知りのオバちゃんが激推ししてくれた映画。「どんな内容ですか?」と聞いたらオバちゃんは言葉を濁しながら「…お母さんなら…見るといいかも…?って感じ」…なんだそれ。よくわかんねぇ。

さっそく見てみる。
開始早々トイレに閉じ込められた男女の和気あいあいとしたコメディなノリでスタート。
主人公ミナ(アルバ・ロルヴァケル)はドアに「男」だとか「女」だとか書いていないから入ったらドアが開かなくなり、そこへ用を足し終わったカイロ・レン…じゃなかった…ジュード(アダム・ドライバー)が出てくる。カイロ・レンのウンコが相当な匂いを放っていたらしく初対面のカイロ・レンに「臭い!!」と言い放つ。スターウォーズだったら殺されているだろうがこの映画では「本当にゴメン!!」と謝ってもらえる。
このあと何度か助けを求めてようやくドアは開くのだが、このあと「臭かったお詫びにコーヒーでも飲まない?」とでもなったのだろう、2人は恋人→結婚へとトントン拍子で進んでいく…ようにみえるのだがミナには釈然としない出来事が起きている。

まず仕事。転勤が決まりカイロレンに嫌なら辞めちゃえば?と言われる。
そして避妊してほしかったのに子どもが産まれることに。対して仲がよくないお父さんは自分の結婚式に来ない。自然分娩で産みたいのに帝王切開。産後4ヶ月で母乳が出なくなる。
人生で起こり得る出来事ではあるが人によっては大した事ない人もいれば一大事の人だっている事件がそれとなく起こる。(ちなみにカイロ・レンの出来事は特に描かれない)

結果2人の子どもは発育不良を起こしてしまうのだけど「そうなる前になんとかしろよ!」と観ているこっちはハラハラしてしまう。

なんとかならなかったのは何故でしょう。
ミナに至っては電波を子どもに向けたら危ない!携帯禁止!と思っているようなのでグーグル先生も居ない。母親が他界していて母親に頼れない。義理の母に聞くのもどうかと思うよね。わかんないけど。こんな母親いないでしょ?と思うかもしれないが実際にいるんですよ。マジで。予防注射はさせない!とか添加物アウト!とか

どうにかして子どもを助けてあげたい感じが強すぎて「お母さん何やってるんだよ!」と怒ってしまいそうだけどミナは育児放棄はしていない。むしろ超頑張っている。それが分かるからかカイロ・レンはミナを支えようとしていたし子どもを助けようとしていた訳で。強行手段に出てもなおミナを遠ざけなかった訳で。
この映画はカイロ・レンが頑張らなかったら終わっていた。これはスターウォーズEP6.5だ!(適当)カイロ・レンが頑張らなければ最悪なシナリオが次々起こり監督はラース・フォン・トリアーだったのかな?って思う所だった。

というわけで現代核家族に起こりうる悲劇を描きつつ時に暖かいシーンで和んだこの映画はよかったです。